但馬屋ホームページ > 但馬屋オンラインショップ > MOTHER OF MERCY・さいコロがし 完成インタビュー(3)

質問:「さいイコロがし」の方はいかがでしたか?
渡邉:サイコロは、卵白とお砂糖と寒天でできているもので、生地自体は最初は柔らかいんですね。それを一つの四角い型に流して、ある程度固まった時に、1.5cm角サイズの専用カッターで切った後、乾燥させるんです。乾燥後に、ひとつひとつ、サイコロの目を手描きします。
ミヤケ:すごく気が遠くなる作業ですよね。
渡邉:はい。目の場所があるので間違えないように描いていきます。おかげでサイコロ職人が生まれました!
ミヤケ:お菓子そのものは西洋のメレンゲみたいですよね。卵の白身や寒天はコレステロールが低くてヘルシーで女性向きなお菓子ですよね。
質問:サイコロの発想はどこからきたのですか?
ミヤケ:但馬屋老舗さんの「岡の雪」を見た時に、建材のような印象があって、コンクリートや発砲スチロールみたいな感じでこれは面白いなぁと思ったので、お菓子ではないものの形に作れないかなぁって思っていました。お菓子の色も白で「サイコロだったら転がして遊びながら食べると楽しいかな?」って思ったことで生まれました。
質問:それで双六なんですね。アーティストをテーマに選んだのは?
ミヤケ:よく頂く質問に「アーティストの人生ってどういうものなんですか?どうやってなるんですか?」と聞かれることが多くて。私達(アーティスト)の実態がわからないみたいで、どんな人生なのか良く尋ねられるのですが上手くいつも答えられないので、じゃぁ、せっかく美術館だし、皆さんにアーティストの人生を簡単に疑似体験してもらえるゲームを作ってみたいと思いました。
渡邉:内容がすごく面白いですよね。アーティストあるある。
質問:改めて、それぞれにどのようなご苦労がありましたか?
渡邉:サイコロは、着色の問題と、もろいのでカッティングを始めは手作業でやっていて、量産体制にもっていくのに苦労しました。
落雁は、前述の通り打つのがたいへんだったのですが、香り、味、大きさの調整にも苦労しましたし、どれくらいの厚みが食べやすいとかも細かい調整が要りました。薄すぎてもダメだし、厚すぎても食べずらいし。また木型が3つしかないので、1回にできるのが3個。その繰り返しなので生産数が限られます。
ミヤケ:木型も増やして2台で作られるようにしたんですよね。落雁は人の手でしかできないので限界がある。
渡邉:そうなんです。それから最初、落雁の方は置いておくと外気の影響で割れてしまって泣きました。いまは問題もクリアして大丈夫です!サイコロ菓子は割れなどの心配はありません。そうしてどちらも日持ちは2ヶ月です。
ミヤケ:ショップやお土産向きですね。
質問:完成までどのくらいの時間がかかりましたか?
渡邉:OPAM開館日が決まってからなので、逆算して一年半くらいで仕上げなくてはならず、時間がなく、けっこうギリギリでした。
ミヤケ:レセプションのお土産に決まったと伺って嬉しい反面、細かな手仕事を知っているだけに美和さん達が心配でもありました。
質問:ところで、どちらも素敵でユニークなパッケージですね。
ミヤケ:アートディレクションとコンセプトを私が担当し、制作は今回2チームに依頼しました。それぞれかぶらないように、カラースキームも変えて、調整させて頂きました。「MOTHER OF MERCY」をお願いした藤森泰司アトリエさんはパッケージをするのが初めてで、日頃は家具など大きなものをデザインされている方なんですけれども、パッケージデザインも向いているんじゃないかしらって思っていてお声かけしたんです。それから、藤森さんは大人っぽい、シックでエレガントな作風なので、カラースキームは秋冬のイメージがあったこともあり、バテレン系の雰囲気、竹田の石畳、ステンドグラス、キリスト教にちなんだ金・銀など使って欲しいとお願いしました。